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2006年6月18日 (日)

生長の家が環境問題に取り組むわけは?

Q:生長の家が環境問題に取り組むわけは?


 最近、生長の家の集まりでお話を聴きましたが、講話の中で環境問題についての話題が多く、それに興味が無い僕は、はっきり言って退屈でした。僕はもっと宗教的な話を聞きたいんです。環境問題はその専門家が考えればいいことだと思いますが、生長の家が環境問題に取り組むのは意味があるのでしょうか?(S・C、19歳、男性、奈良県)

A:信仰者が環境問題に取り組むということは、神が創られた世界を地球環境に現して行く地道な営みです。

 宗教的な話を聴きに来たのに、環境問題の話題ばかりで退屈したとのこと。“もっと宗教的な話を”とのあなたの求道心を、とても頼もしく感じます。

 でも、少しだけ立ち止まって、なぜ宗教が環境問題に取り組まなければならないのかを、一緒に考えてみることにしましょう。

“環境破壊”という言葉を、あなたも耳にされているのではないでしょうか。たとえば、かつては身近な自然環境の乱開発や、工場から出る煤煙や廃液による公害など、比較的小規模の環境破壊が指摘されていましたが、現在は世界中で石油などのエネルギー資源を大量に消費してCO2を発生させ、地球温暖化、海面水位上昇、砂漠化などをもたらす、地球規模での環境破壊が注目されています。

 ことに後者は、水資源の枯渇(こかつ)、食糧不足に加え、有限な化石燃料などのエネルギー資源をめぐる国際紛争の要因となるなど、人類の生存そのものに深刻な影響を与えることが懸念されています。

 人間中心主義から地球全体主義的な価値観へ

 生長の家では、私たちを取り巻く環境は、「心の影」であり、仏教の言葉を借りて、「三界(さんがい)は唯心(ゆいしん)の所現(しょげん)である」と表現しています。

 つまり“環境破壊”などの地球環境の問題は、実は私たち人間の「心」によって引き起こされている、というのが宗教的視点から見た基本的な考え方なのです。

 この問題は、地球のどこかから勝手に生じたのはなくて、実は私たち人間の営みが100%関わって来た問題であり、それは人類の迷い(業〔ごう〕)の現れでもあるのです。

 したがって環境問題の解決を図るためには、まず私たち自身の心(意識)が、これまでの人間の生存権や欲望のみを最優先させた人間中心主義の“独善的”考え方から、全ての生きとし生けるもの、ありとしあらゆるものを慈しむ地球全体主義的な“宗教的”価値観を持った心へと、大きな転換を遂げなければならないのです。

 これについて生長の家副総裁・谷口雅宣先生は、ご著書『今こそ自然から学ぼう―人間至上主義を超えて』(生長の家刊、日本教文社発売)の中で、次のようにお説きくださっています。

「私が生長の家の講習会などで環境問題を論じる時は、受講者や読者にいわゆる『常識』や『時流』のレベルで“環境に優しい”生き方をしてほしいと訴えるためではなく、そういう深いレベルまで自己変革を遂げるべきことを訴えたいのである。なぜなら、そうしなければ、21世紀の地球環境は今後さらに悪化を続け、我々の子や孫の時代には、環境悪化を原因とする社会不安や地域紛争、あるいは戦争が頻発することが予見できるからである」(同書30ページ)

 神様が私たちに与えてくださった、地球という美しい魂の学校を、未来の人類に受け継いでいくためにも、信仰者が地球環境問題に取り組むということは、現代における菩薩行(ぼさつぎょう)の実践でもあるのです。

 さて、お釈迦様が悟りを開かれたときに、この世界の本質を見抜かれ、その喜びを「山川草木国土悉皆成仏(さんせんそうもくこくどしっかいじょうぶつ)」という言葉で表現しました。

 これは、一切のものが“そのまま仏であり、救われ済みである”という意味の言葉で、生長の家ではこれを「唯神実相〔ゆいしんじっそう〕の世界」と呼んでいます。

 信仰者が環境問題に取り組むということは、この実相世界を、現象世界である地球環境に現して行く地道な営みなのです。

 
 私たちが日々の神想観(生長の家独得の座禅的瞑想法)を通して、今ここに天国浄土を深く観じ、喜んで生活すれば、その喜びの念が「三界唯心の所現」の理によって、この現象世界にも、実相本来の完全円満なる相となって現れるのです。

 生長の家が環境問題に取り組むということは、実は極めて宗教的な“上求菩提(じょうぐぼだい)、下化衆生(げけしゅじょう)”(求道と伝道)の実践なのです。

●このQ&Aは、『理想世界』平成17年7月号に掲載されました。

参考図書

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