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2008年7月 6日 (日)

もう一つのリアルな世界①

 今朝、昼食の弁当を持っていなかったので、通勤途中に新宿駅のドトールでサンドイッチを買い求めたところ、財布にお金が入っていないことに気がついた。ちょっとあわてたが、とっさにレジで「スイカ」のカードを取り出して支払った。

 考えてみれば、私たちはリアルのお金と、デジタルのお金の両方を使う世界に、いつの間にか住んでいたのである。

 そういえば、ネット上のアマゾンのサイトで本を買うようになったのは、いつからだろう。

 まだ7~8年といったところだろうが、その間、私が京都にいたころに本を買っていた「駸々堂書店」や「丸善」などの老舗をはじめ多くの書店が、街から姿を消していった。

 最近は耳にすることはないが、インターネットが出現したころ、パソコン雑誌などでネット上の世界のことを、リアル(現実)空間と対比して、バーチャル(仮想)空間などと呼んでいた時期がある。

 しかし、今では本の購入のみならず、物品や食料の調達のほか、勉強や仕事のための資料や情報の収集など、私たちの生活の重要な領域をネット上での遣り取りが占め、リアルとネットとの境目がなくなりつつある。それだけ急速に、音もなくネット空間が成長しているということだ。

 この15年ほどの間に、リアル世界とは別の、もう一つのリアルな世界(文化圏・経済圏)がネット上に構築され、さらにそれは加速度的に成長し、いつの間にか私たちは、そこに片足を半分突っ込んで生きている。

 たとえば、この「ブログ」という仕組みも、ネット上に出現したのは4~5年前である。が、企業情報センターの調査結果(国内)によると、昨年の時点で、集計対象としたブログサービス全体の昨年1年間の推定訪問者数は3527万人となり、2006年の2752万人に対して128%の伸張率を示したという。

 たった数年で、個人を主体とした双方向的な世界が、これほど成長したのである。さらにこれにミクシィなどのSNSなどを合わせれば、その数は倍増することだろう。

 2008年の時点で、インターネットがこの世に出現して、わずか15年。これが10年後の2018年には、どんな世界へと成長を遂げているのだろう。また、30年後には、70年後には、200年後は――

 それが事業であれ、運動であれ、私たちがこの世の中に対して何らかの働きかけをする場合、今までのようにリアルな世界にだけ軸足を置いて事業を展開していたのでは、街から姿を消した数々の老舗書店と、ほぼ同じ道をたどることは避けられないだろう。

(つづく)

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