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2010年9月 4日 (土)

遊馬正・画伯の絵「イエロー・ラプソディ」

 2年前、銀座で「第30回記念生光展」(生長の家芸術家連盟主宰)が開催された。

 

 当時、私は展の運営に携わっていたので、当日も早朝から会場に張り付いていたが、準備がようやく完了し、昼から開会式、表彰式、そしてパーティーへと進み、午後2時過ぎにそれもお開きとなった。

 

 ようやく落ち着きはじめた会場で、展示された一点一点の作品を、あらためて鑑賞させていただくことにした。

 

 入り口近くに展示されていた遊馬画伯の作品の前に立ち止まり、じっと凝視していると、その絵の中から調和あるメロディーが奏でられているように思われた。

 

 それはバロック末期のヴィヴァルディの合奏曲の一節(調和の霊感 L'estro armonico)を思わせるようなリズミカルな旋律が、画布に彩られた色彩から静かに聞こえてくるのだった。

 

 その場所から次の作品へと立ち去り、展示場を一回りしてまたその作品の前に立つと、静かに、あの同じ旋律が、再び心の琴線に響いてきた。 

 

 遊馬画伯の作品は、以前から注目して鑑賞させていただいていたのであるが、このような経験は初めてだった。

 

 その絵は、『イエロー・ラプソディ』という名の作品だった。

 

 タイトルのように、イエローを基調としたこの作品は、軽やかな、調和に満ちた、うきうきするような澄んだ歓びが伸びやかに表現され、背後にピンクの花が点在し、春を迎えた「いのち」の華やぎが伝わって来るのだった。

 

 当日、生光展の記念パーティーでのスピーチで、遊馬画伯は、

 

 意外なことに聞こえるかもしれませんが、この歳(当時85歳)になるまで、実は私は女性が恐かった。
 ところが最近、女性への恐怖心が消え、女性なるものの本当の素晴らしさがようやく分かってきました。
 その繊細さ、優しさ、柔らかさ、温かさ、それを、ようやく素直に受け入れることができるようになったおかげで、これまで、赤やブラックなどの激しい原色ばかりを作品に使っていましたが、最近はピンクを、それは女性の優しさ、柔らかさを象徴するピンクを、ようやく自由に使うことが出来るようになりました。

 

 というような意味のことを語っていらっしゃった。

 

『イエロー・ラプソディ』は、遊馬画伯のそのころの歓びを、そのまま表現して、花開いているように見えた。

 

 聴こえてきたメロディは、はたして八十翁の画伯の心にときめきはじめた、春の狂詩曲(rhapsody)の音色だったのだろうか。

 

 

  久都間 繁

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