「産土の神」と「教えの先達」について
先月、三十代の女性の方から、「産土の神」についてと、「懺悔の神示」に説かれている「吾が教えの先達」ということについて、ご質問をいただきました。
質問の本文と、私からの回答を紹介させていただきます。
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【質問】
合掌、ありがとうございます。
新緑のさわやかな季節となりました。
貴人におかけましては、益々ご清栄ののこととお喜び申し上げます。
お忙しいなか申し訳ございませんが、二つの相談をさせていただきます。どうぞ宜しくお願いいたします。
〔1つ目の相談〕
私は、父が駐在員でしたので、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス市で生まれました。
生後半年ぐらいから、カナダ国ブリティッシュコロンビア州リッチモンド市へ引っ越しました。同市で弟が誕生しました。
私が7歳、弟が1歳3カ月ごろに帰国しました。
『霊供養入門』の184ページに、現実世界の奥にある「産土(うぶすな)の神」について書かれています。
私のような生い立ちの場合、産土の神様について、どのように考えたらよろしいのでしょうか。
〔2つ目の相談〕
亡き祖母は、生長の家地方講師を拝命していました。
教階は分かりません。
自宅で、『人生を支配する先祖供養』『霊供養入門』を参考に、仏壇ではなく『甘露の法雨』をご本尊に見立てて中央に置き、厚紙で作った位牌を安置し、聖経を読誦して先祖供養をしています。
「懺悔の神示」の中に、
「汝らのうち病める物らば、吾が教への先達の許に来りて祈りを乞い神想観の指導を頼め。吾が教えの先達は吾がことばを受けたるものなれば、彼の言葉汝を癒やさん。心に省みて罪ありと思うものは、教えの先達に包むところなく懺悔すべし」
と書かれていますが、ここで説かれた「吾が教えの先達」に、祖母を当てはめて位牌に向かうことは、妥当でしょうか。
ご回答よろしくお願い申し上げます。
末文になりましたが、ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
再 拝
茨城県 女性 30歳
信仰歴10年
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【質問への回答】
合掌、ありがとうございます。
まず、最初のご質問、「産土の神様」についてですが、人間の運命のおよそ50%ほどは前世からの宿業、あとの約25%は霊界におけるご先祖などの高級霊(守護神)の導き、残りの25%は本人の精進努力によって決まる、と言われていることはご存じのことと思います。
「産土の神様」の影響は、霊界における高級霊の導きの一部に当たります。
谷口雅春先生によると、古代から歴史が連綿と続いている日本の国のような場合は、霊界において産土の神様がそれぞれの地域を守護し、人々を導いているため、霊界でのネットワークが緊密に張り巡らされていると教えていただいています。
では海外(ご質問をいただいたアメリカ合衆国やカナダ)の場合はどうかというと、日本とは事情が異なるとは思われますが、歴史が浅いなりに、(あるいは先住民族の時代から)霊界での市長のようなご存在がいると推察することはできます。
しかし、土地の神様を丁重にお祀りしてきた歴史や慣習のない風土や、古代からの祭りが途絶えてしまった風土では、土地の神様とそこで誕生する人々との間に、日本ほど深い結びつきがあるとは考えにくいのではないかと思われます。
ことにご両親が一時的に海外に居住されて、その土地でお生まれになった方の場合は、ご両親と深い繋がりをもつ日本の産土神様の導きや、ご先祖のお導きが強い影響を与えていることが充分に考えられます。
『霊供養入門』の263ページには、守護神について以下のような記述があります。
「人間には守護神というのがついていて、その人を安全で、繁栄の道へと導いてくれるようになっているのである。守護神というのは、その人の祖先の霊魂で、修行足りて或る程度の神通力を得たものが、あらかじめ産土の神から選ばれて胎児の出産の刹那、その子供についていて、その人の一生涯を護っていてくれることになっているのである」
ということが紹介されていますが、ここで注目していただきたいのは、
「守護神というのは、その人の祖先の霊魂で、修行足りて或る程度の神通力を得たものが、あらかじめ産土の神から選ばれて――」
という記述です。
このことからも、ご両親と深い繋がりをもつ日本の産土神様の導きや、ご先祖のお導きが、あなた様や弟様の運命に強い影響を与えていることが推察できます。
ですから、あなた様のような場合は、産土の神様は①「ご両親と深い繋がりをもつ日本の産土神。②「お生まれになったロサンゼルス市の土地の神様」これらの神々の連携と、双方の神々に護られて導かれていたのではないか、と推察することができます。
さて、次のご質問ですが、「懺悔の神示」に記述された「吾が教えの先達」に、お祖母様を当てはめて位牌に向かうことは妥当か否か、ということについてお答えします。
この「吾が教えの先達」について書かれた「懺悔の神示」をやや詳しく紹介すると、
「汝らのうち病める者あらば、吾が教えの先達の許に来りて祈りを乞い神想観の指導を頼め。吾が教えの先達は吾がことばを受けたるものなれば、彼の言葉汝を癒さん。心に省みて罪ありと思うものは、教えの先達に包むところなく懺悔すべし」
と説かれています。
つまり教えの先達とは、「神想観の指導」「言葉による教えの指導」「懺悔の言葉を聴くこと」この3つの役割をしっかりと担える者でなければ、「吾が教えの先達」とはなり得ません。
従って、すでに霊界へと移っていらっしゃるお祖母様の場合は、霊界からあなた様の「懺悔の言葉を聴くこと」はできるかもしれませんが、それ以上の働きをすることは、難しいと思われます。
生長の家の教えを真剣に学ばれるのであれば、あなた様が本当に信頼できる本部講師を見出し、その講師の方から教えを請うことをお勧めします。
生長の家本部会館では、毎日「聖典講義」が本部講師によって行われています。
また、各地にある生長の家練成道場や、生長の家教化部でも各講師が指導をしておりますので、師となり得る人を求めて門を叩いてみてはいかがでしょうか。
このほか、分からないことがあれば、何なりとお訊ねください。
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【礼状】 (平成23年6月1日付)
合掌、ありがとうございます。
雨のおかげで、緑もひときわ美しく見えるようです。
久都間先生には、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
この度は、つたない相談に、迅速にご丁寧なお返事を下さり、まことにありがとうございます。
お礼が遅くなりまして申し訳ございません。
先生のご回答で、私の産土神様について知ることが出来て、大変嬉しく、安心いたしました。
また、「懺悔の神示」の「吾が教えの先達」についても、理解できました。
近くにいる祖母に指導を求められたら良いなと思いましたが、それでは不十分であることが分かり、浅はかであったと自分を恥ずかしく思います。
今までにも練成や行事に参加させていただいたり、個人指導を何度かしていただいたことがあります。
改めて指導をしていただきたい時は、足を運ばせていただきたいと思います。
お忙しい中、ご回答を下さり本当にありがとうございます。
季節柄どうぞお体をお大切にしてください。
まずはお礼のみにて失礼いたします。
再 拝
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