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2011年10月13日 (木)

宇宙は神さまの創造か?

 30代の主婦の方から「宇宙は神さまの創造か?」ということについてご質問をいただきました。

 

 質問と回答のメールでの遣り取りを公開させていただきます。

 

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質 問

 

 

 神様をもっと知りたくて、感じたくて、

 

「そうだ、神様は宇宙を造ったんだ!」

 

と思いつき、最近、宇宙に関する雑誌を読んでいます。

 

「神様は、こんなに広くて、すごい法則をおつくりになったんだなぁ」と、少しは神様のことがわかりそうだと思ってうれしい気持ちになったのですが、

 

「あれっ、宇宙って実相世界じゃないんじゃない?」

 

という疑問がわいてきました。

 

 神様は、現象世界はおつくりになっていないんですよね?

 

 宇宙は、現象世界?

 

 じゃあ、この星のたくさんきらめく大宇宙は神様の創造ではないのでしょうか?

 

 教えてください。

 

 

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【回 答】

 

 

 お手紙を拝見して、あなた様が発見した宇宙への新鮮な驚きが伝わってきました。

 

 私も星座をながめ、ときおり子供たちと天体望遠鏡で星を観察したりしますので、星々の美しさに魅せられるお気持ちはよく分かります。

 

 さて、ご質問は、「宇宙って実相世界じゃないんじゃない?」ということへの、新たな驚きから発したものですね。

 

 これも、すでにあなた様がお気づきになっているように、私たちが肉眼を通して見ている宇宙は、実相世界ではなく、現象宇宙の相(すがた)を、私たちは観察しているのです。

 

 私たちの五感、六感から入ってくる情報は、すべて「現象」を感受しているにすぎません。

 

 鎌倉時代の夢窓国師という高僧は、次のようなコトバを残しています。

 

 

「月の衆水に影を映すがごとし」

 

 

 この場合の「月」とは、「実相」の象徴です。

 

「衆水」とは、世の中つまり現象世界を水に喩えたものです。

 

 実相世界は欠けることなく完全円満に大調和して輝いていても、私たちの五感、六感は、現象に映し出された世界しか感受することができないために、ときに歪(ゆが)んで見えたり、欠けて見えたり、全く見えなかったりします。

 

 

 ですから、夜空に輝く星々のきらめきも、神さまの創られた実相宇宙の「映し(現象)」ではありますが、「実相(実在)そのもの」ではありません。

 

 

 私たちが星の輝きを見て、そこに美しさを感ずるのは、現象世界に映し出された神(の幾分か)を観じているのです。

 

 

 神想観の折に、「吾れ今五感の世界を去って、実相の世界に入る」と称えるのは、五感・六感から入ってくる現象を見る肉眼の目を閉じて、さらにその奥にある「実相」(大生命)そのものを、いのちで観じるためなのです。

 

 

 実相は、そのままで完全円満であり、時間・空間を生み出すところの大生命であり、私たちはその宇宙大生命と一つのいのちなのです。

 

 

 この宇宙大生命のことを、古来から日本の神道では天照大御神と云い、仏教では宇宙を遍く照らす光りであるとの意味をこめて尽十方無碍光如来とも、大日如来とも、阿弥陀如来とも称しています。

 

 

 その実相大生命が私たちと「一つのいのち」であることを観ずる行事が「神想観」です。

 

 

 生長の家で言う「人間は神の子、仏の子」との意味は、そのような中味があるのです。

 

 以上が、メールを拝見した上での私からの回答です。

 

 

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【礼 状】(2011年10月9日付)

 

 

 質問へ返信をいただき、とてもうれしいです。

 

「宇宙は実相世界じゃない」というお答えに、やっぱりそうかー、と少し残念でした。

 

『甘露の法雨』にも、宇宙という言葉が出てきたり、宇宙飛行士なども「神を感じた」いう意味のコメントをしていたので、もしかしたら、という期待がありました。

 

 私は神様をとても愛しているのですが、つかみどころがないような気がして、少しでも神様を知る糸口みないなものがほしかったのです。

 

 やっぱり、神想観しかないんですね。少しずつ精進します。

 

 わが家には小学生以下の子供が6人いて、なかなかパソコンに向かえず、お礼が遅くなりました。

 

 ありがとうございました。

 

 

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 【回答 追伸】

 

 

 

 「宇宙が実相世界」なのではなく、実相世界はあなたの内に在るのです。

 

 

 それが「存在」、つまり“本当に在るもの”の神秘です。

 

 

 その「存在」(実在)こそがあなたであり、神であり、実相世界なのです。

 

 

 その「存在」こそが、「実相」なのです。

 

 

「存在」していないもののことを、「現象」と云い、「非実在」といい、仏教では「無」と呼んでいます。

 

 

 ですから「あなた」こそが、宇宙を生みだしたところの「存在」であり、それが「人間・神の子」ということの荘厳な事実であり、あなたと宇宙とは初めから一つであり、あなたは宇宙が生まれる前から在り続けているのです。

 

 この「存在」のことを「般若心経」では、不生不滅、不垢不淨、不増不減、と表現しています。

 

 

 その「存在」そのものの実相に帰るのが神想観であり、「中心帰一」ということです。

 

 

 つまり「中心帰一」とは、非実在なる「現象」に帰一することではなく、真の自分自身(存在)=「神(実相)」に帰ることなのです。

 

 

 ですから「神さまを知る糸口」は――

 

 

 『汝らの内』にのみ神の国はあるなり。(『甘露の法雨』人間)

 

 

 このコトバに素直に従い、内に心の眼を向けることから開けてきます。

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