次世代のための自然エネルギー (2020.10)
わが家では二〇一七年に電力が自由化されて以来、家で使う電気を東京電力から「みんな電力」に切り替えて自然エネルギーを利用している。
「みんな電力」は、太陽光発電や風力発電などの小さな発電所が二〇〇カ所以上集まって出来た電力会社で“お気に入りの発電所”を選んでそこから電気を購入する仕組みになっている。
私は千葉で太陽光発電している農家と契約したので、昨年は「継続して二年間使ったお礼に」と、畑で採れたサツマイモを送って頂くなど、電気を作る人の顔が見えるのも魅力である。
日本で電力が自由化されたのは三年前の二〇一七年四月。
一つの切っ掛けとなったのは二〇一一年に発生した東日本大震災と、東電の福島第一原発事故である。
かつては電力会社を自由に選ぶことができなかったため、二酸化炭素を大量に発生させる火力発電や、放射性廃棄物を排出する原子力発電に由来する“負の電気”を使わざるをえなかった。
しかし世界では、すでにドイツが一九九八年に、米国とフランスが二〇〇〇年に、韓国が二〇〇一年に次々と電力自由化を実現して、電気を選べる社会になっていたが、日本だけが取り残された状況だったのだ。
電力自由化とは、
①誰でも電力供給事業者になることができる(発電の自由化)
そして②どの供給事業者からでも電力を買えるようにする(小売の自由化)
さらに③誰でもどこへでも既設の送・配電網を使って電気を送・配電できるようにする(送・配電の自由化)の三つであるが、この実現とともに太陽光発電などの「電力源の多様化」が開花したのだ。
以降、雨後の竹の子のように新電力が登場したが、ほとんどの会社は「安さ」を宣伝するが中身は旧来通りの有様で、未来世代のこと、地球環境のこと、脱原発のことを本気で考えるエシカルな会社は一握りしかなかった。しかもスタートしたばかりの自然エネルギーは、まだ需要も少なく割高だった。
先般、群馬県教化部の電気を自然エネルギーに切り替えるため、事務局から電力会社数社に見積もりをとったところ、意外なことに「自然電力」や「みんな電力」などの自然エネルギーの電気が、現在契約している会社(エネオス)より数万円も安価になっていることが判明した。
これは、少しずつではあるが心ある人たちが未来世代のことを考えて、自然エネルギーを選択して需要が増えてきたおかげである。
安さを謳(うた)う東京電力などの深夜電力が、原発の電気を使っていることはご存じだろうか。
電気を自由に選べる時代は、すでに到来しているのだ。これは選挙の投票と同じで「めんどくさいからこのままで」というのでは、化石燃料や原発を推進する“旧い文明”を応援していることに気づいてほしい。
“負の遺産”を未来世代に先送りしていたのでは、仏教で説くところの「知らずに犯す罪」を犯し続けることにもなろう。
新電力への切り替えの手続きはネットで申し込むだけで完了する。
皆さんも、次世代のためにぜひ地球を汚さないキレイな電気を使ってほしい。
(二〇二〇・十)
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野村萬斎
狂言家
1966年生。祖父・故六世野村万蔵及び父・野村万作に師事。重要無形文化財総合指定保持者。東京芸術大学音楽学部卒業。「狂言ござる乃座」主宰。国内外で多数の狂言・能公演に参加、普及に貢献する一方、現代劇や映画・テレビドラマの主演、舞台『敦―山月記・名人伝―』『国盗人』『子午線の祀り』など古典の技法を駆使した作品の演出、NHK『にほんごであそぼ』に出演するなど幅広く活躍。各分野で非凡さを発揮し、狂言の認知度向上に大きく貢献。現代に生きる狂言師として、あらゆる活動を通し狂言の在り方を問うている。94年に文化庁芸術家在外研修制度により渡英。芸術祭新人賞・優秀賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、朝日舞台芸術賞、紀伊國屋演劇賞、毎日芸術賞千田是也賞、読売演劇大賞最優秀作品賞等を受賞。世田谷パブリックシアター芸術監督。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開会式・閉会式のチーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター。
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2つとも疫病祓いの舞です。情報まで。
投稿: kansya | 2020年10月21日 (水) 22時19分
上記の
市川海老蔵氏、野村萬斎氏のアーカイブは
本日11月30日をもって終了ですから、
出来たら削除をお願い致します。
投稿: kansya | 2020年11月30日 (月) 15時36分