コロナ禍での一年を振り返る (2020,12)
フェイスブックの“おムスビ”で講話の配信がスタートして九カ月。わたしが楽しみにしているのは十一月から始まった地方講師の皆さまの体験談で、そのお一人おひとりのみ教えとの出合いや、神に導かれ信仰が次第に深まりゆくエピソードは、四季の著しい変化を肌身で感じるような深い味わいがある。
子育ての奮戦記、死を覚悟した病苦からの解放、どん底の経済苦・人間関係からみ教えに光明を見いだしての復活など、過去をつぶさに振り返りながら淡々と語られる信仰体験が、埼玉と群馬の両教化部からFacebookのグループ〝おむすび〟に配信され、毎日のように家々に届けられるのは画期的なことで、すでに十一月には登録メンバーが組織会員だけで四七〇人を越える大所帯となり、五〇〇人の大台も目前である。
この一年を振り返ってみると、新型コロナウイルスが世の中に与えた影響は計り知れない。しかしその背後には、深い摂理が働いているように思えてならないのである。昨年の今ごろ、誰が今日のようにスマホで総裁先生や各本部講師の講話を拝聴し、地方講師の生々しい体験談を好きな時間に視聴できることを想像しただろうか。そして練成会や誌友会に代わるネットフォーラムや、自宅に居ながら参加できるテレビ電話のような会議に、当たり前のように参加していることを誰が予測できたろうか。新しい時代の扉は、着実に開いたのである。これは推進してくださった皆さんの尽力とともに、コロナ禍がもたらした全世界的なリモート化の潮流に、総裁先生を先頭に生長の家の運動が棹さした結果である。
さて、十一月は「自然の恵みフェスタ」に代わる行事として“おムスビ”でPBS関連の行事や報告が毎日のように配信された。その一環として、コロナの終息を祈念して群馬と埼玉の両教化部を自転車でつなぐ「イエローフラッグ・リレー」や、「ウッドガス・ストーブ」を活用した諸行事と、ノーミート料理や非常食などのレシピ公開に加え、信徒の皆さんの農園でのライブ中継まで行われた。
インターネットと宗教的な祈りとは、その働きが本質的な部分で重なっているように思える。ともに時空を越えて繋がり、共鳴し、連動するのであるが、光明化運動の核となるのは、仏の四無量心であり、神の無限の愛である。それは、わたしたちが純粋に神さまの手足となって御心のままに生きたとき具体化する。
世界はまだまだ大きな変化の渦中にある。過去には戻れないし、戻る必要もない。地方から、足元から、ささやかな草の根のような私たちの日々の生活から、それは古代の人びとが山野を焼き払った場所に蕎麦の種を蒔いて生活を始めたように、過ぎ去った過去のすべての悲しみ苦しみの一切を“光り”に変えて、いのちのいとなみを始める時である。それがコロナ禍での生きとし生けるものへの愛行であり、生長の家のPBS活動である。
(生長の家埼玉教区・群馬教区の機関紙12月号より)
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