コロナ禍での一年を振り返る (2020,12)
Facebookとzoomで、講話の配信がスタートして九カ月。いつも楽しみにしているのは、七月から始まった地方講師の皆さんの体験談で、そのお一人おひとりのみ教えとの出合いや、神に導かれて信仰が深まりゆくエピソードは、四季の彩りの変化を肌身で感じるような深い味わいがある。
子育ての奮戦記、死を覚悟した病苦からの解放、どん底の経済苦・人間関係からみ教えに光明を見いだしての復活など、過去をつぶさに振り返りながら淡々と語られる信仰体験が、埼玉と群馬の両教化部からFacebookのグループ“おムスビ”に配信されて毎日のように家々に届けられるのは画期的なことである。
すでに二〇二〇年十一月には、登録メンバーが組織会員だけで四七〇人を越える大所帯となり、五〇〇人の大台も目前である。
この一年を振り返ると、新型コロナウイルスが世の中に与えた影響は計り知れない。しかしその背後には、深い摂理が働いているように思えてならない。
昨年の今ごろ、誰が今日のようにスマホで総裁先生や各本部講師の講話を拝聴し、地方講師の生々しい体験談を好きな時間に自宅で視聴できることを想像していただろうか。そして練成や誌友会に代わるネットフォーラムや、家に居ながら参加できるテレビ電話のようなzoomでの会議に、当たり前のように参加していることを誰が予測できただろうか。新しい時代の扉は、着実に開いたのである。
これは推進してくださった皆さんの尽力とともに、コロナ禍がもたらした全世界的な潮流に、総裁先生を先頭に生長の家の運動が棹さした結果である。
さて、十一月は「自然の恵みフェスタ」に代わる行事として“おムスビ”でPBS関連の行事と開催報告が毎日のように配信された。その一環として、コロナの終息を祈念して群馬と埼玉では、両教化部を自転車でつなぐ「イエローフラッグ・リレー」や、「ウッドガス・ストーブ」を活用した防災関係の諸行事と、ノーミート料理や非常食などのレシピ公開に加え、信徒の皆さんのフィールドである各農園からの収穫ライブ中継まで行われた。
インターネットと、宗教における「祈り」とは、その働きが本質的な部分で重なっているように思える。ともに時空を越えて繋がり、連動し、共鳴する。
ことに光明化運動の核となるのは、仏の四無量心と神の無限の愛である。それは、わたしたちが純粋に神さまの手足となって御心に導かれるままに生きることによって具体化するのだ。
世界はまだまだ大きな変化の渦中にある。過去には戻れないし、戻る必要もない。
地方から、足元から、ささやかな草の根のような私たちの日々の生活から、それは古代の人びとが山野を焼き払った場所に蕎麦(そば)の種を蒔いて新たな生活を始めたように、過ぎ去った過去の悲しみと苦しみの一切を“光り”に変えて、神に導かれつつ“いのち”のいとなみを始める時である。
それが生きとし生けるものへの愛行としてのPBS活動である。
(二〇二〇・十二)
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