“み教えの光”を灯そう (2025,1)
皆さんは「ブレーンストーミング」という形式の会議を、ご経験されたことはあるだろうか。
私が初めてこれを体験したのは30年ほど前の1995年、宇治別格本山にいるときだった。
阪神淡路大震災が発生し、世紀末感ただよう当時の空気を突き抜けるように、「二十一世紀の生長の家人類光明化運動を考えよう」とのテーマで有志が集い、毎回5時間ほど掛けて徹底的にアイディアを吐き出し、とことん語り合ったのだ。そんな集いを月一のペースで半年ほど開催したことで、参加したメンバーの頭の中は共通のビジョンで満たされていった。
ブレーンストーミングを紹介してくれたのは、大阪でIT企業を経営する信徒のSさんだった。私たちは、オープンでフラットな会議の進め方に心躍らせ、未だテキスト主体のパソコン通信主流の時代だったが、インターネットが世界にもたらすであろう強烈なインパクトと、その舞台で光明化運動が展開する大きな可能性に着目して、ブレストを通して見えて来たビジョンを可能な限り具体化して、順を追って書き出してみた。
手始めに、アトリエ・ハッピーという日本語による生長の家の国際的な交流の場を起ち上げた。その数年後、生長の家本部がホームページをスタートしたのを機に、満を持して宇治本山のホームページを起ち上げ、すでに準備していた同本山の歴史、行事、練成会体験集などを、日本語のみならず英語・ポルトガル語などでも提供した。
やがてメンバーは宇治から巣立ち、私も本部へと転籍したが、ブレストで体感したビジョンの共有と、創造的に運動を進める悦びは、それぞれが進んだ新たな土地や職場で、新しい仲間を得て生長していった。
こんなエピソードを紹介したのはほかでもない、一月に東京の各教化部で開催する「“新しい文明”の基礎を作るための企画会議」の前置きである。が、この会議には、秘かに「生長の家イノベーションブレーンストーミング」との副題も含まれている。つまり教区での光明化運動を、幹部の皆さんを一堂に会して共に企画して進めるのである。略式ではあるが今回のブレストは、そのための最適な手法の一つと考えている。
生長の家が展開する“ビジョン面”については既に「運動方針」に縦横に描かれた。
そのポイントは天地の「万物を神の生命(いのち)、仏の生命(いのち)として拝む生き方」を世界にひろめることだ。それは“天地一切のものに感謝する(実相を拝む)生き方”を実生活に生きることであり、私たちは神から生長の家に託されたこの実相直視のライフスタイルを、教区の実情に合わせて展開する絵図を描いてみるのである。
会議に参加できない皆さんも、「天地の万物を拝み感謝する生き方」が、唯心所現の心の法則に乗って、人類に確実に与える光りに満ちたインパクトを、祈りの中でイメージしていただきたい。そして、生活の中で「真理の火」を灯して、次の世代へと“み教えの光”を手渡していくのである。


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