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2026年3月25日 (水)

「明るい心」の招くもの (2026.04)

 生長の家は「縦の真理」“唯神実相”と「横の真理」“唯心所現”の教義を通して、み教えの核心部分を伝えている。み教えを学びはじめた頃の私は、多くの講師が「唯心所現」の教えばかりを説いているように見えた。
 唯心所現の教えは、宗教がもたらす功徳を「心の法則」を交えて解りやすく説明できることから、数多の人を導きやすい。

 しかし功徳の教えは、私たちの自我に潜む欲望や煩悩と結びつきやすく“喉元過ぎれば熱さを忘れる”の喩えのように、神への関心が薄くなれば潮が引くようにみ教えから離れていく。

 若かった私は、そんな「功徳」や「おかげ」について説く教えを“浅いもの”と判断していたのだ。その結果「横の真理」の深奥を十分に汲み取ることなく、何十年も遠巻きにしていたように思う。

 コロナ渦中で埼玉と群馬教区の教化部長をしていた2021年ごろ、生前の三好雅則講師にお願いして、教区の皆さんと一緒にZOOMでご指導を頂いたことがあった。
 その折、同氏のビデオ講話『充実した人生を築くために「日時計主義」実践の勧め』を事前に視聴することを課題として頂き、その後で講話を拝聴させていただいたのだが、三好講師の講話を聴いているとき、かつて“森の中のオフィス”(生長の家国際本部)で勤務していた折の、ある光景が蘇ってきたのである。

 当時、幾つもの部署を掛け持ちで預かっていた私は、間断なく押し寄せる見通しの立たない案件ばかりが山積して、それに翻弄される日々を送っていた。
 たまたまオフィスの廊下で、かつて上司だった三好講師とすれ違った瞬間、彼は私の目を見て
「久都間さん、元気にしてますか?」
と挨拶代わりに声を掛けてくださったのだ。
 私は気の置けない先輩への甘えもあって、思わず
「青息吐息ですッ」
との言葉で応えていた。三好講師は、無言で私が置かれている状況を受け止め、遠くを見護るような表情をされていたが、そのときの光景が、まざまざと蘇ってきたのである。

 コトバは運命を作る。それが「三界唯心所現」の横の真理である。
 今なら、彼からの問いかけに対して「お陰さまで充実しています!」「アイディアが押し寄せて活気凜々です」など、冗談交じりにお答えできるのだが、オフィス勤務時代の私は、未だ「唯心所現」について未熟なままだったと言わざるをえない。

 このときの埼玉で頂いたご指導が、生前の三好講師の謦咳(けいがい)に触れる最後の機会となった。同時に、「横の真理」の深奥にまで踏み込んで“み教え”を説くことが、その後の私の使命となった。
 現象は心で作る世界である。環境も運命も、ことごとく吾が心の展開、それが「横の真理」即ち心の法則である。

 三正行と光明思想で心を満たしていれば、嬉しく伸びやかで充実した人生が楽々と展開するのだ。
 その光り溢れる哲学の実践が「日時計主義」の生活であり、「横の真理」の深奥で交差する「縦の真理」の神髄を生きることであり、三好講師から私たちに托された、最期のメッセージだと思っている。


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