音楽

2008年7月 9日 (水)

『すべては音楽から始まる』について

 明日の7月10日から、「東京国際ブックフェア」が始まる。
 私は仕事柄、毎年参加しているが、今年は、初日の基調講演が茂木健一郎さんとのことなので、楽しみにしている。

 茂木さんといえば、最近『すべては音楽から生まれる (PHP新書)』という著書を読んだ。この本との出会いは、アマゾンの「なか見!検索」で立ち読みして、その内容に惹かれて購入したものだ。

 今、手元に同書がないので詳しい説明はできないが、この本を読んでいると「音楽」あるいは「音」におけるクオリアというものがよく理解できる。

 彼はこの書の、たしか冒頭で、シノーポリの指揮した『未完成』を聴いた時のシューベルト体験を克明に語っているが、クラッシックが好きな方は(そうではない方も)、この書をひもとけば、ご自身の内に眠っていたさまざまな“音楽体験”が、そのとき鳴り響いていた音となって、鮮やかによみがえるのではないだろうか。

 また、人生に音楽が織り込まれることで、どんなに美しい調べを奏で出すかということも、この書の通奏低音として響いている。生きることの奥にある深い核のような部分が、どれほど音楽的な体験と重なっているのかが伝わってきて、思わず釈然として、読んでいて愉しくなる本である。活字なのに、音楽好きには堪(こた)えられないところがまた面白い。

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2008年7月 5日 (土)

巣立ち

 7月4日、わが家の玄関に住んでいたツバメのヒナたちが、一斉に巣立っていった。

 その日の午後、家内から、「いざいなくなると、ガランとして寂しいものです。  元気に飛んでくれたらいいなあと祈ります」とのメールが届いた。

 3日にブログで紹介し、写真までアップしたその翌日に巣立ちの日を迎えたというのも、不思議なことだった。

 そういえば前日の夕方、3年生になる長男が、「ツバメの親が3羽も巣に出入りしている」と語り、私もツバメが空中で遊んでいるように追いかけっこをしながら飛翔しているのを見て、“子育てで忙しいはずなのに”と奇異の感をいだいたことを思い出した。

「そうだったのか」と、昨夜になって、はたと気がついた次第であるが、旅立ちの期はすでに熟していたのである。

 ツバメの親もヒナも、ともに猫にもヘビにも襲われることなく、無事にこの日を迎えたことが嬉しかった。

 私たちも、さまざまな友人や恩人たちに支えられながら、家庭、学校、そして組織や職場など、これまで幾つの故郷から、巣立たせていただいて来たことだろう――

 ありがたいことである。 

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2007年9月 9日 (日)

いのちの響き

  台風一過後、私の住む青梅の庭では、秋の虫たちが一斉に啼き始めた。

 夜中に床に就くと、開け放った窓から、虫たちの音(ね)が宇宙を奏でるように深い夜を満たしていた。

 何種類もの命の音の合奏。それは虫が啼くというよりも、大地そのものの音楽だった。
 音が鳴っているのではない、いのちが、いのちのなかで、いのちを奏でていた。

 それまでは一つ一つの虫の音が、勝手気ままに鳴っていると思っていたが、周りの虫たちのいのちの響きを、彼らは確かに感じながら、絶妙のアンサンブルで自らの音を奏でているのだった。

 やがて時間が消え、天地が消え、私も消え、いのちの合奏のみが、いのちの世界に鳴り響いていた。

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2006年9月 8日 (金)

ブルックナーの7番(友人宛の返信より)

 合掌、ありがとうございます。
 
 お便りをありがとうございました。腰の方は、日常生活を不自由なく送れるようになりましたのでご安心下さい。

 過日は休みをいただいておりましたので、ブルックナーの7番シンフォニーを聴いておりました。
 CDは、オランダフィル、ハルトムート・ヘンヒェンという、ちょっとマイナーな指揮者がコンセルトヘボゥで振ったライブ録音でしたが、ブルックナーが住んでいる「原初的な世界」が聞こえてくるような、素朴でとても良い演奏だと思いました。

 祈りなどを通してより深い世界を観じているときに、ときおり「絶対過去」ともいうべきところから"遠い記憶"が蘇ってくることがあります。

 それはとても懐かしいもので、何年経っても成長することも、古くなることもなく、常に新たで、常に瑞々しい温もりと輝きをもって立ち現れるようなものですが、なぜか最近それが私を現象的に取りまいている世界での「今」ということと、ぴたりと一致して観じることが多くなりました。

 上記の演奏を聴いていても、そのようなことを想起させられました。

 また、ゆっくりお話しましょう。

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